ADHD特性を知る機会さえないまま育てられ、義務教育時代は普通学級で常に疎外感があり、社会に出てからもずっと生きづらさを抱えてきた当事者がつらかったこと・困ったことは何だったのかをご紹介します。
ADHDは朝起きられない?
思い返せば、幼少期から周りと自分との違和感に気づきながらも無理に周りに合わせていたため緊張や過大なストレスが常にありました。周りの動きが自分にとっては速すぎて、皆に追いつくように常に120%の力で頑張ってなんとか帳尻を合わせていたため、かなり疲れやすかった気がします(ADHD特性の過剰適応)。
小学校からずっと朝自力では起きられませんでした。
大音量の目覚まし時計が何度鳴っても起きられず親にたたき起こされて、朝食をゆっくり食べる余裕もなし、わずかな時間で急いで身支度、毎朝時間ギリギリに家を飛び出して全速力で走って滑り込みセーフの登校(たまに遅刻)でした。
学校に着いてしまえば過剰適応できたため学校生活はなんとかなったものの、朝はどうしても起きられませんでした。(これが社会に出てからも続くとは思わなかった)
忘れ物をすることが多く、毎週なにかしら忘れました。
テキストはよく忘れやすかったため前日に確認しているにもかかわらず、たまに違う教科の本を誤って入れて結局忘れることが多い、イレギュラーな持ち物となると高確率で忘れました。学校に着くとまずカバンの中を確認して、忘れ物がないと分かると安心し、忘れた物があると生きた心地がしませんでした。
時間ギリギリになるのはなぜ?余裕を持った行動はできないのか?
理由は分からないのですが、なぜか時間ギリギリになるまで動けないのです。
不思議だったのは「〇時〇分に出なければ間に合わない」ということは脳内にインプットされていて、「何がなんでもその時間には出発しないといけない!」という焦りが出てくるとやっと行動にうつせます。(朝寝坊したときはその限りではない)
たまに早起きできたとしても、「時間に余裕があるからギリギリまでのんびりできる」と脳が判断してテレビをボーっと見てしまい余裕を持った行動ができませんでした。
仮に、いつもより30分早く出発したとしても「自分と仲良い友達がまだ来てなかったらどうしよう…みんなワイワイしてる教室でぼっちになったらきつい」という思いがあり、自己防衛が働いて時間ギリギリを好んでいたのかもしれません。(気の合う子がいないクラスだったときには、10分間の休み時間が苦痛だった。雑談が苦手なため休み時間にぼっちになるのが苦痛でお手洗いに行くふりをして時間をつぶしたこともある)
社会人になっても朝はつらい?なかなか起きれない?
親元を離れたくてしかたなかったため、社会に出て数年は一人暮らしを頑張りました。
朝つらいのは変わりなく毎朝起きるのが苦痛でした。
ようやくガラケーが出てきた頃で、ケータイのスヌーズ機能と大音量の目覚まし時計が繰り返し鳴るように設定してなんとか自力で起きれたものの定期的(数カ月に1回)に朝寝坊して大遅刻もしました。
勤務中にひどい眠気が何度も襲ってきてうとうとしてしまうのに、帰りの電車やバスで爆睡して乗り過ごし、深夜になると目が冴えてなかなか眠れない日々でした。(中高時代は学校の授業(座学)で毎日居眠りをし先生に起こされていた。)
気絶するように眠くなる症状は「ナルコレプシー」という睡眠障害で、ADHDは14~16歳でナルコレプシーを発症しやすいということが2020年になってから有名な研究機関で検証されたようです。
時間に余裕ある行動を試みようと頑張っても、気づくと時間ギリギリになってしまう。
ADHD(特に女性)は時間的感覚がずれていて遅刻ギリギリになるまで行動を起こせないルーズさが顕著な気がします。